医療について 2025.11.21
限りない情熱

「ディア・ファミリー」という映画が話題になりました。㈱東海メディカルプロダクツの筒井会長がモデルとなった話です。私はお会いしたことはありません。
心臓病の娘を助けたいという一心で、人工心臓の開発を始めて、その研究成果からIABPバルーンカテーテルという医療機器を世に出しました。新しい発想で開発された製品で、これまで多くの患者さんに広く使用されているそうです。(残念ながら娘さんは幼すぎて手術を受けられなかったために他界されています。)
その筒井会長が過去の雑誌のインタビューで、ベンチャーには、「限りない情熱、限りない努力、限りない好奇心」が必要であると語っています。(2016 産学官連携ジャーナルVo.12 No.9)
映画のように美談だけではなく、もっと泥臭い努力を注ぎ込んでこられたと思います。医療機器や医薬品の開発は数年から十数年かかるため、この開発に対して限りない情熱を長期間維持することは並大抵なことではありません。さらには、製品開発に必要な資金も膨大であり、これを用意することだけでも大変だったと思います。これらの多くのハードルを乗り越えてIABPバルーンカテーテルを実用化されたこと、同じ企業人としてその苦労は想像できるところです。
加えて、比較的地味な医療機器分野でこのような会社が取り上げられ映画になったことは、広くこの分野を知っていただく上においても、ありがたいことでした。
医療機器メーカーの先輩企業である㈱東海メディカルプロダクツさんを見習い、 「限りない情熱」を持って事業にあたりたいと思います。一人でも多くの患者さんのために。
(YN)