綿みたいな人工骨
ReBOSSIS/
レボシスとは?
ReBOSSIS(レボシス)はβ-TCPと生体吸収性ポリマーを主成分とする綿(わた)のような人工骨です。綿形状ですから一般的なブロック状の人工骨のように骨の欠損部分のサイズに合わせて加工する必要がなく、また充填部から漏出性が高めの顆粒状人工骨に比べて扱いやすさが異なります。このハンドリングの良さに加えて、弾力性と復元力を備えていることも既存の人工骨との違いです。そのため、どのような部位でもどのような大きさの欠損部であっても、短時間で確実に充填できるのです。そのうえ収まりがよく脱落も起きず、治癒後に充填した人工骨全体が自身の骨と置き換わります。
高い操作性
欠損部の大きさや形に応じて簡単に成形可能
自家骨との混合が容易
良好な補填性
欠損部に詰めやすい
補填部からこぼれにくい
安定した高い吸水性
安定した吸水性のため血液や骨髄液を保持しやすい
微細繊維構造
エレクトロスピニングにより微細の繊維構造を実現
骨芽細胞の足場として機能
高い気孔率
骨形成に関わる細胞や成長因子が入りやすい
吸収置換性
骨再生過程において体内吸収され骨に置換
ReBOSSIS誕生の経緯
ReBOSSIS(レボシス)の基礎技術を開発したのは、名古屋工業大学の春日敏宏教授(現名誉教授)率いる研究グループです。研究開始は2011年のことですが、当初は歯科医療におけるインプラント対応の人工骨として考案されました。主成分はレボシスと同じβ-TCP、ポリマーなどを主成分としながらも不織布状でした。その後、エレクトロスピニング法により繊維状にするのですが、ReBOSSIS(レボシス)のようなきわめて細い繊維の綿(わた)形状を生み出すまでには試行錯誤の繰り返しでした。繊維の太さをどれくらいにするのか等、骨芽細胞を活性化させるための最適な形状に到達するまでに多くの時間を要しました。
この名古屋工業大学の研究チームの技術を受け継いだオルソリバースがさらに改良を加えて完成させたのが現在の綿形状人工骨 ReBOSSIS(レボシス)です。
ReBOSSISの製品化と
米国および日本での販売
オルソリバースは2014年8月に米国FDA(食品医薬品局)に認可申請を行い、同年10月にはトラウマ(外傷)領域で米国FDA510(k)クリアランスを取得、2015年2月からReBOSSISの名で米国での販売を開始しました。2017年12月にはスパイン(脊椎)領域でのクリアランスも取得し、より多くの整形外科手術で使用されるようになりました。日本市場向けのレボシスは、2021年3月に国内販売における製造販売承認を取得した後、同年9月から製品名レボシス-Jとして販売をスタートしています。
ReBOSSIS
レボシスは米国と台湾などの海外市場向け製品を『ReBOSSIS』の名称で販売していますが、当社の販売委託先である米国のKYOCERA Medical Technologies,Inc.は2024年春から『BioCeraFibers(バイオセラ・ファイバー)』と製品名を変更しています。日本市場向けの製品は整形外科用を『レボシス-J』、脳神経外科・口腔外科・形成外科用を販売委託先に応じて『レボシス-MS』『レボシス-MT』『レボシス-MK』『レボシス-MC』の『レボシス-Mシリーズ』と名付けました。これらの総称が『レボシス・シリーズ』です。ReBOSSIS(レボシス)シリーズのすべての製品の主成分は基本的に同じですが、日本市場向けの製品は海外市場向けの製品に改良を加えています。